こんにちは、おしま狩人です。
狩猟マンガやエッセイのような猟師小説はあるけど、もっと専門的な知識が欲しい…。
そんなあなたにオススメしたいのが、『野生動物管理のための狩猟学』です。
漫画などでは断片的な狩猟の知識しか得ることができませんが、この本には日本の狩猟の歴史、海外の狩猟事情やこれからの狩猟がどうあるべきかをマルっとまとめてあります。
この記事では『狩猟学』を読むと、どのようなことが学べるのかを簡潔にまとめました(`・ω・´)
狩猟学の位置づけ
日本には昔からシカやイノシシが住んでおり、人間が定住をしつつ、彼らと付き合っていました。
今でこそ”有害鳥獣被害”という言葉で騒がれていますが、鳥獣害はその昔からあったもの。
しかしながら
- シカやイノシシを中心とした個体数の急激な増加
- 狩猟人口の高齢化・減少
- そもそも日本の人口減少
- 鳥獣による環境破壊や被害
これらに歯止めが利かなくなっている現状があり、
野生動物管理の手法としての「狩猟」を見直し、その技術を生態学の側面からとらえなおし、将来の人材育成をも視野に入れた、狩猟を科学として扱う「狩猟学」の入門書となる教科書
参考:狩猟学
上記のような思いから編集されています。
狩猟をただの趣味としてではなく、生態学や経済、社会的な立ち位置を考えるための思考をあたえてくれる良書ですよ(`・ω・´)
ざっくりと内容を紹介
外国人を含む21人の著者が、
- 日本・世界の狩猟歴史
- 日本の狩猟文化の変容
- イギリス、ドイツ、アメリカ、ノルウェー、アフリカの狩猟や管理について
- 日本に必要な専門的捕獲技術者について
- 狩猟の人材育成へどう向き合うべきか
- 日本の狩猟が抱える課題と先進的な取り組みについて
- 持続可能な狩猟について
これらを筆頭にさまざまな視点から狩猟について記しています。
日本狩猟の歴史などは興味深く読んでいたのですが、そもそも”猟友会”が、戦争の際に軍需となる毛皮を安定的に供給するためにつくられた組織だとは知らず。
零戦に乗っていたパイロットの耳当てには、猟友会が提供したウサギなどの毛皮が使われていたのでしょう。
また本来生息していない外来生物についても、その他の野生生物や生態系が壊れないよう駆除する必要性や、適切な対応方法が書かれています。
”かわいそう”の感情ひとつでは解消しきれない問題があり、野生動物や自然とどう向き合っていくか。
考えさせられることが多い書籍です。
まとめ
学校では学ぶことのなかった”狩猟”ですが、
実は日本でも明治期の農業大学系にはドイツ林学の一環として”狩猟学”が導入され、講義として受けることが可能だったそうです。
なかなか知る機会の少ない狩猟ですが、マンガやエッセイではなく、体系的に”狩猟”を捉えた『野生動物管理のための狩猟学』で、さまざまな視点から狩猟についての教養を学んでみてはいかがでしょうか。
こちらもおすすめです。
おしま狩人でした。