【将来のたんぱく質危機】シカとイノシシをフル活用したら日本に必要なたんぱく質の3%が賄える

コラム

こんにちは、おしま狩人です。

 

アジアとアフリカを中心とした人口爆発の影響で、2050年には世界人口が90億人を突破すると予測されています。

人が生きるためには水と食糧が必要ですが、人体の約20%がたんぱく質で構成されていることは知っていましたか?

 

いま問題となっているのは、人に必要とされるたんぱく質が将来供給できないというたんぱく質危機(通称たんぱく質クライシス)ですが、昆虫や藻類を食料とすることでそのギャップを埋めようとしています。

 

持続可能な動物性たんぱく質としてシカやイノシシなどのジビエ肉がありますが、日本で捕獲されているこれらの獣肉をフル活用したらどれくらい賄えるのかを計算してみたところ、

結果は必要量の約3%が賄えることがわかりました。

 

結果とジビエ肉の有用性について紹介していきますね。

年間で2000万人にジビエ肉を約1kg供給できる

肉食化が進んでいる日本ですが、平均してひとりあたり30kg(牛・豚・鶏肉など)を年間に消費しています。

 

現在年間で捕獲されているシカやイノシシの頭数は合計で約100万頭ですが、1頭当たり20kgの食肉がとれると約20,000トンになります。

 

すべての日本人がジビエ肉を食べるわけではないので(嗜好などをふまえ)、その消費数を2,000万人と仮定します。

 

2,000万人の日本人が食べるお肉は平均600,000トンとなり、うち20,000トン(全体の3%)をシカやイノシシ肉でまかなえることになります。

 

より具体的な数字としては、年間でひとりあたり約1kgのジビエ肉を供給することが可能という結果になりました。

 

現在の食生活文化で供給できる割合をだしています。将来的に昆虫食や藻類が出回っていくと、ジビエが出回る比率も変化していくでしょう。

 

年間で捕獲されているシカやイノシシの頭数って?

参考:農林水産省

現在年間で捕獲されているシカやイノシシの頭数は

 

  • シカ…約60万頭
  • イノシシ…約60万頭

となっていますが、現在は全体の5%前後しか市場に流通していません。

その他は自家消費や廃棄処分されています。

 

数年前から国をあげてジビエ肉の有効活用化に力を入れており、全国にジビエを食肉として提供できる食肉処理施設が日増しに建てられ、ジビエ肉を一般的に流通させるための仕組みが整いつつあります。

シカやイノシシは、持続可能な自然の資源

昆虫食や藻類がポストたんぱく質として注目されているのは、生産性が従来の家畜に比べて高く環境に優しいからです。

 

現在わたしたちが食べている食肉が出来上がるまでにはたくさんの大豆が使用されており、とくに牛が排出するメタンガスなどが問題になっていますよね。

 

シカやイノシシは現在農林業に大きな被害を与えていますが、上手に付き合うことで持続可能で貴重な高たんぱくの肉を提供してくれます。

まとめ

来たる世界的なたんぱく質不足について、日本で捕獲されるジビエ肉がしっかりと活用されればひとりあたりの食肉3%分がまかなえることを説明しました。

 

きれいごとな内容になってしまいましたが(ジビエの100%の利活用は不可能なので)、

  • ジビエを流通させるための仕組みが整って
  • ジビエ料理に対する抵抗や不安がなくなれば

一般的な家庭に、カモ肉や羊肉のような頻度でシカやイノシシ肉が出回る未来があると予想しています。

 

おしま狩人でした。