【徹底検証】うまい?まずい?いろんなジビエを食べてみた!

ジビエ料理

 

シカやイノシシの獣害が増えるに比例し、捕獲頭数がここ近年急速に伸びています。

食肉として利活用されている割合はシカ・イノシシ合わせて7%とまだまだ低いですが、国をあげてなんとかジビエを普及させようという動きが活発になっています。

 

あなたもこれまでに、どこかで国産のジビエを食べる機会があったのではないでしょうか。

シカやイノシシ、クマ、カモ、珍しいものではアナグマやカラスを食べれる飲食店もあります。

 

そんなジビエですが。

ある人は

めっちゃおいしい!

といってるし

ある人は

んーーー。獣臭くて無理。。

というし

またある人は

固くてぜんぜん美味しくなかった。

というような実態。

 

豚や牛のように同じ環境・飼料で”育てられた”食肉ではなく、

食べられることを前提とせずに自然の中をかけめぐり、発情し、いろんなものを食べ、そして年をとっていく鳥獣なので、例え同じイノシシでも個体によって味の違いがあって当然なんですよね。

 

ただそんなことはいってられないと。

せっかく獲った鳥獣たちを、いかに美味しく食べるか。

ぼく自身ハンター2年目に入りますが、いろんなジビエを獲って食べて、よりおいしく食べれる方法を精一杯模索していきます(`・ω・´)

ジビエ肉の評価指標

野生の鳥獣は、さまざまな要因からその肉質に影響をあたえます。

ここではぼく自身が決めた評価基準で、ジビエの美味しさをあらゆる角度から検証していきますね(`・ω・´)

鳥獣の条件設定

まずは鳥獣類の条件設定から。

ジビエはその捕獲地(なにを食べるか)から、時期(発情や越冬のタイミング)、性別・年齢によってそもそものポテンシャルが変わります(`・ω・´)

さらにどのように捕獲したのかによって、肉に与えるストレスやダメージが違ってきます。

 

デリケートな部分が多いですが、以下6項目の条件設定をつくりました。

  • 捕獲地
  • 捕獲時期
  • 性別
  • 年齢
  • 捕獲方法
  • 血抜き処理方法

調理時の条件設定

さらにさらに。

どの部位を食したのか、どのような下処理(マリネ、牛乳に漬け込む)をしたのか、調理した温度はどれくらいかなどによっても味は変わります(`・ω・´)

  • 部位
  • 下処理
  • 熟成期間
  • 調理方法

 

ジビエ味覚チャート

そしてお待ちかねのお味!

  • ワイルドさ
  • うまみ
  • 臭み
  • あとあじ
  • 苦味
  • 香り

これらを10段階のレーダーチャートで評価しますよ

10段階評価で、こんな感じ。

大型獣

  • ヒグマ
  • ツキノワグマ
  • イノシシ
  • ニホンジカ
  • トド
  • アザラシ

イノシシやシカには、琉球イノシシ・ヤクシカ・キュウシュウジカ・エゾジカなどの亜種が存在します。

 

いろんなところに旅するのが好きなこともあり、琉球イノシシやヤクシカは食べたことがあるんですよねー。

マジでうまかったですよ(`・ω・´)

狩猟鳥獣には入っていないですが、北海道で漁業に甚大な被害を与えるために駆除されているトドやアザラシを含めています。

 

いつの日か、ライフル片手にヒグマを仕留める日がくるのか…。

ヒグマ

北海道に生息するヒグマ。

古くからアイヌ民族と深いかかわりのある生き物ですが、最近はよく人里に現れて農産物を食べ荒らしています。

九州在住のぼくにとってはあまり縁のないヒグマですが、飲食店などでみかけることもありますよね。

ヒグマのロースト肉

ヒグマのロースト肉の味は香り・味ともにワイルド感が全面的にあふれ出てくるものでした。

 

普段からジビエ(シカなどの独特な香りがするもの)に抵抗がなければ大丈夫だと思いますが、そうでないと少しきついかもしれません。

食味チャートは以下の通り。

 

ヒグマの詳細は以下の通りですが、…ごめんなさい、あまり把握できてないです。

  • 捕獲地…北海道
  • 捕獲時期…冬
  • 性別…オス
  • 年齢…不明
  • 捕獲方法…不明(銃猟)
  • 血抜き処理方法…不明

 

ロースト肉の部位や処理方法ですが、調理法しかわかりません”(-“”-)”

  • 部位…不明
  • 下処理…不明
  • 熟成期間…不明
  • 調理方法…ロースト

 

【ジビエ料理】ヒグマ肉はめちゃくちゃ精のつきそうなワイルド感あふれる味がした
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イノシシ

生息域を急速に拡大している日本のイノシシ。

その食味は家畜のブタよりも濃厚で、栄養価もブタより高いことが多いです。

 

季節的な要因や個体差によって少しずつ味が違いますが、ジビエ初心者にとってはとっつきにくいお肉ではないでしょうか。

ブタ肉と同じような調理ができるので、イメージしやすいですしね(`・ω・´)

リュウキュウイノシシのタタキ

19歳の頃に食べた、西表島のリュウキュウイノシシのタタキ。

それまで食べたことのない濃厚な肉の味と旨みに、ただただ驚いて箸が止まらなかったのをおぼえています。

 

食味チャートは満点。

西表島でしか食べれないという希少性と、宿泊した民宿の主人が猟師だったので新鮮でおいしいリュウキュウイノシシのタタキをいただくことができました。

  • 捕獲地…沖縄
  • 捕獲時期…10月中旬
  • 性別…不明
  • 年齢…1歳
  • 捕獲方法…不明(わな猟)
  • 血抜き処理方法…不明

小猪という情報までは覚えていますが、どの部位を食べたのかまでは覚えてません”(-“”-)”

  • 部位…不明
  • 下処理…不明
  • 熟成期間…不明
  • 調理方法…タタキ

 

【11月中旬以降がおすすめ】西表島で食べたリュウキュウイノシシのタタキが絶品だった
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ニホンジカ

無駄な資質がなく、ビタミンや鉄分などのミネラルが豊富で健康食・アスリート食としての位置づけを確立しつつあるシカ肉。

捕獲の季節や処理によっては匂いがきつくなりますが、上手に調理すれば牛肉以上にうまいです。

 

中型獣

タヌキ、キツネ、アナグマ、アライグマ、ノイヌ、ノネコ、ハクビシン、ミンク、テン、キツネ、イタチ(オス)、ヌートリア、ノウサギ

中型で獲ってもいい獣って、けっこういるんですよね。

え…

と思われたかもしれませんが、実は野生化したノネコやノイヌも狩猟対象なんです。

 

自然環境を守るために指定されていますが、食糧難や大きな自然災害が起きない限り食すことはないと思います。

とはいえ、ベトナムで一度イヌを食べたことはあるんですけどね。

アナグマ

歩き方やシルエットがとてもかわいいアナグマですが、食味はジビエのなかでも最高級といわれるほど美味。

独特の甘い脂身がかもしだす味が苦手…という方も一定数いますけどね。

アナグマの背脂チャーハン

アナグマの背脂チャーハンの味は、

アナグマ独特のふわっと優しい甘みが口の中に広がり、嫌みにならない油分が米をコーティングしていて美味しかったです。

アナグマの詳細は以下の通り。

  • 捕獲地…福岡県
  • 捕獲時期…11月
  • 性別…メス
  • 年齢…不明(1歳以上)
  • 捕獲方法…くくり罠
  • 血抜き処理方法…頸動脈の切断

 

獲れたてのアナグマ背脂がぶるんぶるんに余っていたので、獲れたその日にチャーハンに利用しました。

  • 部位…背脂
  • 下処理…なし
  • 熟成期間…なし
  • 冷凍…なし

 

【ジビエ料理】アナグマの脂身をつかったチャーハンは贅沢な甘みがしました
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アナグマのもも肉炒め物

シンプルにアナグマのもも肉をスライスしたものを、炒め物にしました。

ふつーに、美味しかったです(`・ω・´)

 

アナグマの背脂チャーハンとほとんど同じ評価になりました。

アナグマの詳細は以下の通り。

  • 捕獲地…福岡県
  • 捕獲時期…11月
  • 性別…メス
  • 年齢…不明(1歳以上)
  • 捕獲方法…くくり罠
  • 血抜き処理方法…頸動脈の切断

 

もも肉をペットシーツでくるみ、冷蔵庫で6日間寝かせました。

  • 部位…もも肉
  • 下処理…なし
  • 熟成期間…6日間のドライエイジング
  • 冷凍…なし

 

【ジビエ料理】ふつうに美味い!アナグマのもも肉で炒め物をしてみたよ
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小型鳥獣

 

でかい鳥もいますが、”鳥類”はこのカテゴリにまとめます。

 

カワウ、ゴイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ(亜種を除く)、キジ(亜種含む)、コジュケイ、バン、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス

多い。

鳥類でも草食メインの雑食、肉食などに分かれ、なかでも魚を大喰らいするカワウはひどい味なんだとか…。

そしてカラスはわりと美味しいらしい。

 

鳥類は視力がよく、かついろんなところにとびまわるので狩猟が難しいところもありますが、いろんな鳥を食べてみます。

マガモ

 

カモ類の中でもクセがなく、美味といわれているマガモです。

 

カモの脂はとくに融点が低く、身体にいいことで有名ですよ。

マガモ鍋

定番、マガモ鍋。

あごだしを使用していただきました。

 

味ですが、間違いなくうまかったです(`・ω・´)

ほぼ満点ですが、ジビエのワイルド感はヒグマに少し劣り、うまみはリュウキュウイノシシが一番だったのでこの評価になりました。

 

  • 捕獲地…福岡県
  • 捕獲時期…11月
  • 性別…オス
  • 年齢…不明(1歳以上)
  • 捕獲方法…銃猟(エアライフル)
  • 血抜き処理方法…特になし

 

むね肉の処理は以下の通りです。

  • 部位…むね肉
  • 下処理…牛乳に1日漬け込み
  • 熟成期間…6日間・冷蔵熟成
  • 冷凍…なし

 

【ジビエ料理】あごだしでつくったマガモ鍋は、上品な香りと味が相まった絶品でした
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マガモのむね肉リゾット

 

マガモのクリームソースリゾットです。

イタリアンのレストランで働いていたこともあり、この手の料理はサッとつくることができます(`・ω・´)

味はもちろん◎。

ポルチーニやチーズ、バターを贅沢に使用したので間違わなかったです。

 

  • 捕獲地…福岡県
  • 捕獲時期…11月
  • 性別…オス
  • 年齢…不明(1歳以上)
  • 捕獲方法…銃猟(エアライフル)
  • 血抜き処理方法…特になし

 

むね肉の処理は以下の通りです。

  • 部位…むね肉
  • 下処理…牛乳に1日漬け込み
  • 熟成期間…7日間・冷蔵熟成
  • 冷凍…なし

 

【ジビエ料理】マガモのクリームソースでつくったリゾットが激うまだったので紹介する
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まとめ

野生の中で育った、さまざまな鳥獣を美味しくいただく。

獲ったときのどきどき感、口に含むときの期待と不安はジビエならではの楽しみだと思っています。

捕獲した彼らをいかに美味しく食べるかも、狩猟者の責任。

つねに命をいただく立場として、なにかしらの思いを持ってかえっていただければと思っています。

 

おしま狩人でした。

 

 

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