【保存版】ジビエ料理を安全に食べるために知っておくべき、食中毒リスクとその対策を2つにまとめた

ジビエ料理

こんにちは、おしま狩人です。

 

シカやイノシシのように、自然界の生き物を食べる”ジビエ”が最近人気です。

 

日本の農作物や林業に大きな被害を与えていることから毎年多くのシカやイノシシが捕獲されていますが、ジビエを食肉にして利活用していこうと政府主導のもと大きな流れが生まれています。

 

ジビエ肉を使用したカレーや、ジビエバーガーって思わず食べてみたくなりますよね。

 

ただ、ジビエ肉を食べるまえに脳裏をよぎることが

ジビエ肉って病気とか寄生虫とか多いって聞くけど、、大丈夫…?

 

ちょっとリスキーじゃない?

というような不安ではないでしょうか。

 

結論からいうと

  • -20℃以下で48時間以上冷凍され
  • 75℃以上の熱で1分以上加熱

 

これら2つの対策をとることで、ジビエ肉による食中毒リスクをほぼ0にすることができます(`・ω・´)

 

安全に食べることができる条件ってことですね。

 

豚や牛、鶏肉も生食を禁止している部位や安全に食べるための加熱温度が設定されていますが、この記事では、

  • 食中毒リスクの概要
  • ジビエを安全に食べるために気をつけること2つ

 

これらを紹介していきます。

食中毒とは?

 

まずは食中毒についてざっくりと解説していきます(`・ω・´)

 

食中毒を起こすもととなる細菌やウイルス、有毒な物質がついた食べ物を食べることによって、げりや腹痛、発熱、はきけなどの症状が出る病気のことです。

 

食中毒の原因によって、病気の症状や食べてから病気になるまでの時間はさまざまです。

参考:農林水産省

 

食中毒とは、さまざまな細菌やウイルスによって引き起こされる体調不良、病気の総称です。

 

食中毒は以下の5つにわけられ、肉に限らず人が口にする多くの食べ物に食中毒の感染リスクがあります。

  • 細菌性食中毒
    サルモネラ(感染型)、黄色ブドウ球菌(毒素型)など
  • ウィルス性食中毒
    ノロウイルスなど
  • 寄生虫食中毒
    トリヒナ、トキソプラズマなど
  • 自然毒食中毒
    フグ(動物性自然毒)、きのこ(植物性自然毒)など
  • 化学物質
    メタミドホス(殺虫剤)など

 

 

食中毒は主に生もの(刺身など)や、衛生環境の悪い状態で調理・飲食した場合に起こる可能性が高いのはご存知かと思います(`・ω・´)

ジビエ肉調理で気をつけたい3種の食中毒

ジビエ肉によって食中毒にあたる可能性があるのは、【細菌性食中毒・ウィルス性食中毒・寄生虫食中毒】の3つ。

 

ジビエを調理する際には

  • 細菌性食中毒
    Oー157、サルモネラ、レプトスピラ、野兎病菌
  • ウィルス性食中毒
    E型肝炎
  • 寄生虫食中毒
    トリヒナ、トキソプラズマ、、肝蛭(かんてつ)、肺吸虫、サルコシスティス(住肉胞子虫)

これらの食中毒に注意しつつ、温度管理や調理をする必要があります。

ジビエ肉を安全に食べるために

 

前述したように、ジビエ肉を安全に食べるためには以下の条件で処理されたものが安全です。

 

  • -20℃以下で48時間以上冷凍され
  • 75℃以上の熱で1分以上加熱

75℃以上で加熱する!

豚肉や牛肉にもあてはまりますが、75℃で1分以上加熱すればほとんどの食中毒リスクを取り除くことができます。

 

以下にジビエ肉に存在する可能性がある病原物質の、死滅温度と加熱時間目安をまとめています(`・ω・´)

 

  • 病原体大腸菌 …75℃・1分間
  • カンピロバクター …60℃・1分間
  • サルモネラ菌 …65℃・3分間
  • トキソプラズマ …55℃・5分間
  • トキソプラズマ(シスト)…67℃・1分間
  • E型肝炎ウイルス …63℃・30分間
  • トリヒナ …71℃・1分間

 

死滅温度やその時間はさまざまですが、75℃以上1分間で調理することにより、ほぼすべての病原物質を死滅・繁殖不可にすることができます。

75℃以上1分間と同等の条件でも○

75℃以上1分間でほとんどの病原性をなくすことができることを紹介しましたが、加熱する温度が上昇するごとにたんぱく質が変位していきます。

 

安全に食べることができる温度帯と加熱時間が、以下の表一覧になっています(`・ω・´)

温度(℃)6566676869707175
時間(min)151185431

 

冷凍処理で病原性をなくすもの

75℃以上1分間で死滅しない病原物が、住肉胞子虫(サルコシスティス)です。

 

サルコシスティスは実のところ75℃以上5分間の加熱で死滅しますが、ジビエ料理はなるべく低温調理で仕上げたほうがおいしくなります。

 

サルコシスティスは70℃の温度帯だと15分以上の加熱で死滅できますが、確実なのが冷凍処理による死滅法。

  • -20℃で48時間以上
  • -30℃で36時間以上
  • -40℃で18時間以上

これらの温度帯で、サルコシスティスの病原性をなくすことができます。

 

ほとんどの場合この条件をクリアしているかと思いますが、低温調理の際には気をつけたい項目です(`・ω・´)

 

野生動物が病原物質を保有している可能性

ジビエを安全に食べるための基準を紹介しましたが、野生動物がどのような病原物質を保有しているかを簡単にまとめましたよ(`・ω・´)

 

病原物質の保有リスク指標

  • 非常に低い…(ー)
  • 低い…(△)
  • 注意が必要…(○)

 

病原体シカイノシシカモクマ
カンピロバクター
サルモネラ
E型肝炎ウイルス
トキソプラズマ
サルコシスティス
病原体大腸菌 O-157
トリヒナ

 

生食には十分注意を!

注意したいのはシカの生食とイノシシのハツ・レバ刺し。

 

ジビエの生食はしないように呼びかけされていますが、食べる機会が…ないわけではないです。

 

食べる際は完全に自己責任ですけど、シカはE型肝炎やサルコシスティス、イノシシはそれらに加えてカンピロバクターやサルモネラにあたる可能性があります。

 

シカの刺身はサルコシスティスの病原性をなくす温度帯で冷凍処理されていることで、食中毒のリスクを減らせます。

 

また、シカのE型肝炎ウイルスを976頭分調査した結果、保有状況は0%だった調査もあります。(抗体保有率は2.6%)

 

ただ可能性は0ではありません、特に妊婦がE型肝炎ウイルスに感染するとその20%が死亡するといわれています。

 

それらのリスクを理解していただけたらと思います。

 

なんたって…シカ刺しはうまい、、かも。

 

シカの生食など、E型肝炎の感染機会を持った人は6ヶ月間献血をすることができません

参考資料:シカのE型肝炎ウイルス抗体保有調査

まとめ

 

ジビエ肉って安全に食べれるの?

お腹壊したりしない?

 

というような相談をされますが、きちんと冷凍処理され、かつ75℃以上1分間の加熱でジビエ肉は安全に食べることができます(`・ω・´)

 

これからさらに多くのシカやイノシシ肉が市場に出回ることが予想されています。

 

牛や豚にはない肉の旨味、そして健康にもよいジビエ肉。

ぜひぜひ、おいしく安全に食べてくださいね!

 

ジビエの調理に役立つアイテムとして、調理温度を一定に保ってくれるサーキュレーターがあると便利です。

ジビエのみならずローストビーフやサバの味噌煮など、肉質を柔らかく、そしてジューシーに仕上げてくれます(`・ω・´)

 

そして低温調理のレシピです。

 

 

こちらもあわせてどうぞ(`・ω・´)

 

 

おしま狩人でした。

ジビエ料理
スポンサーリンク
おしま狩人